
熊本県小学校教育研究会国語部会会長 上塚 浩一郎

令和7年度会長挨拶
「人と人」「学び」が「つながり合う場」である県小国研に
本年度、県小国研の会長を務めさせていただく上塚浩一郎と申します。美里町立砥用小学校に勤務しております。
熊本県小学校教育研究会国語部会(以下、県小国研)は、本年度で61年目を迎えます。
そのような歴史ある県小国研の会長を務めさせていただくことになり、責任の重さを感じています。
昨年度は、第68回熊本県小学校国語教育研究大会熊本市大会を、濱本竜一郎前会長の下で開催することができました。会場の熊本市立向山小学校に、県内から多くの皆様に参集いただき、多くの学びが生まれたことに感謝いたします。会場校の向山小学校の先生方をはじめ、助言者・司会者、そして授業者、役員の先生方のご尽力に重ねてお礼申し上げます。
私が初めて県小国研に携わらせていただいたのは、天草の初任校のときでした。教職3年目に、「実践発表会」(現「アイデア工房」)での発表の機会をいただき、当時担任していた2年生の作文指導をまとめて発表したことを覚えています。参加の先生方からは、新米の拙い発表に、私の知らない指導法や実践例など、たくさんのアドバイスをいただきました。思い返せばこれが、私にとって、今への「つながり」の第一歩でした。
それから、30数年経ちました。今でも県小国研では、世代を超えて「子供たちの成長を育むためにはどのようにしていけばよいか」を、全参加者で学び合う姿が見られます。これは、県小国研が “世代を超えて「人と人」、そして一人一人の「学び」が「つながり合う場」である“ことを、脈々と受け継いできたからこそだと思います。
県小国研が、今も未来もそのような「つながり合う場」であり続けるようにしていくことが、今携わっている者としての大切な役割だと感じています。
さて、令和6年12月、文部科学大臣は「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」を中央教育審議会に諮問しました。
諮問では、「より質の高い資質・能力の育成や深い学び」「ICT・生成AIの教育的な活用」などについて述べられています。国語科としてこれに応えるためには、知識を覚えるだけはなく、自分の言葉で考え、伝え合う力の育成がますます必要になってきます。
また、「多様な個性や特性、背景をもつ子供たちの包摂」も重視されています。日本語の運用力に差がある子供たちを含め、全員が「伝えられた」「分かった」と実感できる言語環境を作っていくこともますます大切になってきます。
このようなことに対しても、例会や研修会、県大会などを通じて深め合っていけたらと思っています。多くの先生方のご参加をお待ちしております。
「人と人」「学び」が「つながり合う場」である県小国研になるように精一杯努めて参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。